コモリーマン@Yoga好き❤️さんの書評 2026/04/09
亡命、を読んで ネットで天安門事件について紹介されている書籍として紹介されていたので、興味があり手に取ってみた。 この本は、文化大革命から天安門事件を経て出版された2011年までの中国の民主化運動を12人の亡命者に対する取材を通してドキュメンタリー風に求め上げた作品である。 中国の民主化運動は天安門事件は知っていたが、文化大革命の時からの流れで発生していた事は、この本を通して初めて知った。 興味があったのは、民主化運動を実施した。人々が最後まで政府は話し合いに応じると信じていた点である。その理由の1つとして政府は父母、国民は子供と言う思想の教育が挙げられていた。しかし現実は、中国政府が取ったのは話し合いという時間稼ぎで、最終的には機関銃や戦車などの武力による鎮圧であった。 これより異なるイデオロギー同士の対話による解決と言うのは、あくまでもお互いの力が拮抗している場合のみで、そうでない場合極めて困難であると言うことがよくわかる。また、国家を盲目的に信用させる教育の恐ろしさもこの事例でよくわかる。 ただ、非暴力と言う手段を諦めず続けていくと言うのも大切であることが著者自身の行動で示されているように思われる。具体的には著者自身がこの本の映画化に取り組む姿勢も見せている。 本作品は天安門事件を通じて中国政府の残酷さを伝えるだけではなく、異なるイデオロギーの対立における解決方法は容易ではないが諦めるのではなく、粘り強く続けることの大切さを読者に問いかける1冊である。また昨今ポピュリズムの台頭などで異なるイデオロギー同士の対立が各国で見られるようになったが、本作品を通して対立の解決として対話か抑止力かそれ以外の方法を取るのかを考えさせられる作品である。 中国の民主化運動に関して興味がある方だけではなく、異なるイデオロギーの対立及び衝突の一例として、興味のある方に、ぜひ手に取ってもらいたい作品である。
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