コモリーマン@Yoga好き❤️さんの書評 2026/04/13
ストレス脳を読んで タイトルに惹かれてこの本を手に取ってみた。この本は現代の人がうつや不安障害などを引き起こす理由を、精神科医である著者が最新研究からひもときまとめた一冊である。不安やうつなどを検討していく上で重要となる概念がわかりやすく説明されている。 面白かったのが、不安やうつという症状はネガティブなものではなく、脳の防御反応であるという考え方である。この防御反応は太古において人類が生き残るためのリスク対策として脳が進化の中で獲得したものである。ただ現代のライフスタイルにおいては、肥満、SNS、人間関係におけるストレスなど太古には存在しなかった要因に対する脳の誤作動が、不安やうつにつながっているという考え方である。この考え方に沿うと、未来において現代にはない新たな誤作動の原因となるライフスタイルが発生する可能性があるため、不安やうつを完全に撲滅することは不可能であるとも言える。したがって我々が現実的に対応できることは、運動などの予防策を取ること、不安やうつは防御反応であるという理解を広めることの二点であると考えられる。 不安症やうつに関して基本的な原理を知りたい人および当事者にとって有益な一冊である。
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コモリーマン@Yoga好き❤️さんの書評 2026/04/13
反脆弱性を読んで タイトルに引かれて、この本を手に取ってみた。この本は著者であるタレブ氏の名著である。ブラックスワンで提示された問題提義に対しての1つのアプローチである反脆弱性の考え方を紹介した作品である。内容は、不確実な世の中においては、あらゆる事象に対して反脆弱、頑健、脆弱(トライアド)を見極め、脆弱なものを反脆弱なものにできる限り移転させ、試行錯誤を繰り返して生きていくという考え方を示した作品である。 あくまで思考法を紹介した作品であるため、細かいロジックの体系的説明は限定的である。実用書というよりは思考の枠組みを提示する作品である。またバーベル戦略など本書特有の専門用語が多く、理解する上で難易度は高い。読み方として本書は上下2巻に分かれているが、下巻の付録で本書に登場するキーワードが解説とともにまとめられているため、付録と併読しながら読み進めることが有効である。 本書で紹介されたトライアドの考え方は非常にユニークである。特に反脆弱の概念は、不確実な環境のもとで予測に頼らず意思決定を行うための指針として興味深い。ただ気になった点は、試行錯誤を繰り返すための前提条件として「何度でも試せる環境」が暗黙的に置かれている点である。現実には試行にはリソース制約が伴うため、試行回数は有限である。本書ではこの点について明確な整理はなされていないため、実現可能性の観点では適用範囲は限定的である可能性がある。個人レベルに落とし込む際には、この制約をどのように扱うかが課題となる。 本書は不確実性の高い現代を生きる上での思考の枠組みを提示する一冊である。将来に不確実性を感じている人にとって示唆を与える作品である。
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コモリーマン@Yoga好き❤️さんの書評 2026/04/11
リバタリアニズムを読んで 本のタイトルに惹かれて手に取ってみた。この本はリバタリアニズムに関してまとめた1冊である。前半はアメリカ国内におけるリバタリアニズムの紹介及び位置づけ、後半はアメリカ以外の国のリバタリアニズムの紹介及び位置づけがまとめられていた。 前、後半ともに著者が実際に現地に赴いて取材した上の情報に基づいてまとめているため、ただ政策の違いだけではなく、リバタリアン、つまりリバタリアニズムの当事者についても紹介されていたため、より臨場感に溢れているように感じた。 前半で紹介されていたのは、リバタリアニズムがアメリカの特に若い世代で台頭してきた背景である。大学の学費ローン、雇用の不安定さなど社会的不安に対しての既存の政党(共和党・民主党)での対応における不信感、リバタリアニズムの思想(社会的にも経済的にも自由を重視し変革思考が強い価値観)への共感がその原因だ。現状で若い世代が主な支持層であるが、現在の若者世代が世代交代により社会の中心となり、その結果リバタリアニズムがマイノリティーからマジョリティーに変化した際、アメリカがどのような国になるのかは非常に注目するべき点である。ただ日本への影響として1つ大きなインパクトが挙げられるのが、日米安保への影響であると思われる。リバタリアニズムの1つの思想として最小国家が挙げられる。そのためアメリカが今までの合衆国から都市国家単位になってしまった場合、アメリカとしての意思決定が不安定になる可能性もある。そのため果たしてアメリカが日米安保条約に基づき、これまで通り日本にアメリカの軍隊を駐留して守ってもらえるかどうか疑問に挙げられる。軍隊など国家単位でしか対応できないものに関しては、これまで通り政府が取り仕切り、国家単位でなくても対応できるものに関して、リバタリアニズムを適用するのが理想的であると思われる。 後半で紹介されていたアメリカ以外のリバタリアニズムの例として中国が挙げられていた。ただ国家の方針に背くイデオロギーを掲げるのではなく、個々の政策に対して反論を取ると言う手法をとっている。各国の情勢に応じて手法を調整している点に関しては非常に興味深かった。 内容に関しては、世界各国のリバタリアニズムを現地に赴きまとめたルポライティング的な作品であった。そのため、特に何かを主張しているのではなく、事実ベースで淡々と記されていたため批評する点に関しては特にない。 リバタリアニズムと言う考えに興味のある人だけではなく、未来の世界がどのような社会になるかを考える上で1つの指針として参考になる作品として興味がある人にぜひお勧めしたい1冊である。
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コモリーマン@Yoga好き❤️さんの書評 2026/04/10
やさしい日本語を読んで 市民大学で受講した講義で取り上げられた内容で、その際紹介されていた作品だったので興味を持ち手に取ってみた。 この本は多文化共生社会を日本で築くために必要なツールとして、やさしい日本語という概念を紹介した一冊である。前半はやさしい日本語に関する説明、後半は多文化共生社会において必要なことがまとめられていた。 本作品の内容は、前半はほぼ市民大学で学んだことと重複していたので既知であるものが多かった。ただ、これまではやさしい日本語とは定住外国人だけに対するものと考えていたが、ろう者に対しても必要であるということが本書では紹介されており、この点に関しては新たな学びであった。また、定住外国人の子供たちにやさしい日本語で接するのは慈善だけではなく、将来日本で納税者として働いてもらうという投資の意識を持つことが重要だという考え方は斬新であった。ただ、定住外国人が引き起こす犯罪に対するリスク管理の観点から見ると少々疑問が残る。本書でもその点は2012年の統計を出して10000人あたりの犯罪者数は日本人の方が外国人よりも多いと述べていた。しかし2012年のデータを使用した根拠が述べられていない点、本書が出版されたのが2016年であることを考えるとより新しいデータである2015年、2014年の可能性もある点、2012年以前のデータを出していない点からチェリーピッキングの可能性も否定できないことから、一概に本書の主張を補強する上ではやや弱い。 後半の多文化共生に関する点は、いくつか首を傾げる点があった。 地域の日本語教室が定住外国人の居場所として必要と紹介されていた。しかしこれはボランティア活動とも紹介されていた。この点に関してはいささか疑問が残った。ボランティアとは慈善活動であるが、著者の述べていた投資の意識を持つことに対して矛盾しているのではないか。仮に投資対象として意識する場合、ボランティア活動に対して給料をきちんと支払うべきではないか。やりがい搾取と何ら変わらないと思われる。また文法のミスに関してお互い様の気持ちを持てとも述べられていた。しかし文法のミスに対して寛容になれない人もいる。事実、小職の英語教師が英語文法のミスに関してイラつくnativeもいるので気をつけるよう諭されたこともある。その人たちの気持ちを置き去りにするのはいかがなものかと思う。イラつく人も認めることも多文化の一つではないか。 まとめると共感できたり学びの部分も多かったが、全体的に性善説が主導となる部分が多かった印象を受ける。また外国人に対する対応と比較して、ろう者に対しての対応の進めが少なかったのが非常に残念である。せっかく本作品を通してろう者のコミュニケーションをとる上での苦悩を紹介していただけたのだから、もう少し深掘りしてほしかった。 本書はやさしい日本語に興味ある方におすすめの一冊である。
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コモリーマン@Yoga好き❤️さんの書評 2026/04/09
亡命、を読んで ネットで天安門事件について紹介されている書籍として紹介されていたので、興味があり手に取ってみた。 この本は、文化大革命から天安門事件を経て出版された2011年までの中国の民主化運動を12人の亡命者に対する取材を通してドキュメンタリー風に求め上げた作品である。 中国の民主化運動は天安門事件は知っていたが、文化大革命の時からの流れで発生していた事は、この本を通して初めて知った。 興味があったのは、民主化運動を実施した。人々が最後まで政府は話し合いに応じると信じていた点である。その理由の1つとして政府は父母、国民は子供と言う思想の教育が挙げられていた。しかし現実は、中国政府が取ったのは話し合いという時間稼ぎで、最終的には機関銃や戦車などの武力による鎮圧であった。 これより異なるイデオロギー同士の対話による解決と言うのは、あくまでもお互いの力が拮抗している場合のみで、そうでない場合極めて困難であると言うことがよくわかる。また、国家を盲目的に信用させる教育の恐ろしさもこの事例でよくわかる。 ただ、非暴力と言う手段を諦めず続けていくと言うのも大切であることが著者自身の行動で示されているように思われる。具体的には著者自身がこの本の映画化に取り組む姿勢も見せている。 本作品は天安門事件を通じて中国政府の残酷さを伝えるだけではなく、異なるイデオロギーの対立における解決方法は容易ではないが諦めるのではなく、粘り強く続けることの大切さを読者に問いかける1冊である。また昨今ポピュリズムの台頭などで異なるイデオロギー同士の対立が各国で見られるようになったが、本作品を通して対立の解決として対話か抑止力かそれ以外の方法を取るのかを考えさせられる作品である。 中国の民主化運動に関して興味がある方だけではなく、異なるイデオロギーの対立及び衝突の一例として、興味のある方に、ぜひ手に取ってもらいたい作品である。
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コモリーマン@Yoga好き❤️さんの書評 2026/04/09
こころの深呼吸、を読んで 先日市の催しで著者である海原順子氏の講演会があった時、この本を紹介いただいたので興味があり手に取ってみた。 この本は心療内科医でありジャズシンガーでもある二刀流の経歴を持った著者の経験を元に気持ちが軽くなる方法をエッセイ風にまとめた1冊である。また最終章において彼女自身の経歴を簡単に紹介していた。 個々の項目に関してはほぼ共感できる内容で、既知の部分もあったものの、新しい気づきや実践してみたいものもいくつかあった。特に印象に残ったのが美しい沈黙、それは他人事?以上2つである。 前半は沈黙と言うものは、ネガティブなものではなく、実は自分自身を見つめ直すための環境であることが述べられていた。具体例としてストレッチの例が挙げられていた。この例ではストレッチをする際指導者があまり発言をしない方がより効果的であることが述べられていた。これは私の趣味であるヨガでも同じようなことが言えると思った。続いている。ヨガ教室において、ヨガのポーズを実施する際、最小限の説明(ポーズの取り方、ポーズしてるときの心)に留めている方が、やりやすいと感じていた。今までその理由がわからなかったが、この本を読んで、それは自分自身を静かな環境で見つめ直す時間がより長く、なおかつヨガポーズを取ることによってより意識を全身に幅広く持つことができるからなのでは?と感じるようになった。 後半は、人から相談されたときの対応で、自分個人の視点、相手の視点、中立的客観的視点、以上3つを考えると言うことが述べられていた。これまで人の話を聞くときには、共感性の観点から自分の視点だけではなく、相手の視点から見える視点も意識する必要である事は知っていた。ただ中立的客観的視点に関しては、あまり意識することがなかった。ただ現実的に3つの視点を同時に持って相談に乗ることができる人間などを果たして存在するのであろうか?存在したとしても、それは聖徳太子みたいなスーパーマンに限られると思う。本書では具体的な方法に関して紹介されていなかったが、個人的にはChatGPTなどAIチャットに相談内容を聞いてもらい、中立的客観的視点をAIチャットに回答してもらう方法が1番現実的である。 とは言え本書は心に悩みがある方だけではなく、それは他人事?など他人とのコミュニケーションの取り方への気づきとなる部分もあるので、心に悩みがある方だけではなく、コミュニケーションのスキルアップをしたい方にもぜひ手に取っていただきたい1冊である。
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コモリーマン@Yoga好き❤️さんの書評 2026/04/06
ミッドライフクライシスを読んで タイトルにあるミッドライフクライシスに、現在の私が共感できたので手に取ってみた。 この本はミッドライフクライシス(中年危機)に関して、著者自身および様々な有識者の経験をもとにまとめた1冊である。前半はミッドライフクライシスの定義およびその予防、後半はミッドライフクライシスに直面したときの対応についてまとめられていた。全般的に専門用語があまり使われておらず、素人が読んでも大変わかりやすい内容になっていた。 後半のミッドライフクライシスに直面したときの対応として、副交感神経を刺激する心がけがいくつか紹介されていた。しかしジェネラビリティを持つことに関してはいささか疑問がある。確かに世代を超える価値を生み出す行為に積極的に関わることは素晴らしいと思う。しかし関わりすぎた結果、ジェネラビリティの活動を頑張りすぎてしまい、その結果、副交感神経を刺激するために必要な心がけの一つである「頑張らない」という精神を失念してしまうリスクがあるのではないか。個人的な見解であるが、承認欲求さえ満たされれば問題ないとも考えられる。そのため、ChatGPTなどのAIチャットにより対応してもらうことでも代替可能ではないかと感じた。 また、実例が有識者である場合が多いため、一般人に同様に当てはめることができるのかについてはいささか疑問を感じる。著者自身は医師であるため、自身の患者の例も提示されていれば、より説得力が増したと思われる。 とはいえ、ミッドライフクライシスに対して真正面から向き合っている点は高く評価できる。中高年がミッドライフクライシスに対する知識を得る上で非常に有益な作品であると言える。
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コモリーマン@Yoga好き❤️さんの書評 2026/04/06
現代イラン神の国の変貌を読んで、 イスラエル、アメリカのイランへの攻撃に伴う国際情勢に興味を持ち、イランについて知りたいと思い、この本を手に取ってみた。 この本は1971年のイラン革命から2001年までのイランの政治、社会の変貌を組織(イスラーム神学校、教育)、人々(殉教者、亡命した人、若者、女性)の視点からまとめ上げた1冊である。またイラン革命から2001年までの政治社会の変貌を、イラン革命前後は第一章で、イラン革命後以降は第7章でわかりやすくまとめられていた。 最初にこの本で学んだ事は、イラン革命が発生した経緯である。革命前のイランは王政であったが、その際とられたイランを近代化するべく問われた。白色革命が大きな原因であったことである。宗教勢力にとっては自分たちの権益を脅かされる点、国民にとっては白色革命における政策を推し進めようとする国王の政治的介入に対する不満だ。興味深い点は前者に関しては既得権益の喪失と言うわかりやすい構図であるが、後者に関しては政策の中身よりも実際する際のプロセスに対してであることである。これは現在の自民党に対しての警鐘とも取れる教訓である。いくら国益の視点から有効な政策でも、衆議院での議席数を3分の2以上獲得している党の勢力だけに頼って強引に進めた場合、民意が離れるきっかけになるからである。なので他党とも対話を得た上で進めることが有効であると思われる。 またイラン革命後、イスラム法学者が国家を統治すべきと言う国家体制(ヴェラーヤテ・ファギーフ)がとられているが、法の支配、市民社会の確立、諸外国への対話重視などハータミ大統領による改革の推進も紹介されていた。最高指導者のもとで大統領が改革を進める姿は非常に立派である。国民の指示が圧倒的に高いこと、最高指導者が介入しすぎればイラン、革命の発端となった国王の二の舞となる可能性がある可能性もあることからある程度までは進む可能性が高いと思われる。 本書は、これまで読んできたイラン関連の本の中でイランの歴史、社会の解説を紹介した作品の中で1番わかりやすく完成度の高い作品であった。ただ出版されたのが2001年であるため、少々古い内容である。2001年以降のイランをまとめた作品もぜひ取り組んでいただきたいと思う。 2001年までのイラン(特にイラン革命の背景)に関して、興味のある人は、ぜひ一読いただきたい作品である。
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コモリーマン@Yoga好き❤️さんの書評 2026/04/04
考察する若者たち、を読んで 著者である三宅香帆氏に興味があり、作品を検索した際に本タイトルに惹かれて手に取った。 本書は、令和の若者のポップカルチャーにおいて流行している「考察」という文化と、その背景についてまとめた一冊である。 本書の特徴として、第一に具体的な小説、映画、漫画などの作品を取り上げている点、第二に考察という行為だけでなく、それ以前の文化と比較することで幅広い世代にも理解しやすく工夫されている点が挙げられる。 また著者自身の見解も述べられており、特に批評との比較を通じて考察の特徴を説明している部分は、理解を深める上で有益であった。 全体を通じて感じたのは、考察文化の特徴として「答え」や「正解」を求める傾向があるという点である。この点については、社会への還元という観点が相対的に弱い印象を受けた。最適化を追求することで失敗のリスクは低減されるが、失敗には必ず理由があり、その過程から得られる教訓には大きな価値がある。また、それらを社会に共有することは再発防止の観点からも重要である。航空業界では事故発生時に原因究明と再発防止策を徹底し、その知見を業界全体で共有することで安全性の向上に寄与している。 一方で、考察が求められる背景には「努力すれば報われたい」という願望があるという著者の指摘も示されている。これは裏を返せば、努力が必ずしも報われない現代社会の状況を反映しているとも言える。その観点から見ると、考察文化は我々の社会構造の一側面を表しているとも考えられる。 考察文化を単なる流行として捉えるのか、それとも社会的な課題の表出と捉えるのかは、今後の社会を考える上で重要な論点である。本書は若者文化に関心のある読者だけでなく、現代社会の構造を理解したい読者にも示唆を与える一冊である。
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コモリーマン@Yoga好き❤️さんの書評 2026/04/02
闇ウェブを読んで シルクロードという史上最大級のサイバー闇市場の話を知り、闇ウェブに興味を持って手に取った。 本書は、前半で闇ウェブおよびサイバー闇市場の仕組みを解説し、後半で具体例としてシルクロード事件や各国の取り締まりの現状を紹介した作品である。全体として初心者にも分かりやすく整理されている。一方で参考資料の多くがウェブ記事に依拠しており、書籍資料が少ない点から、2016年当時においても本テーマが比較的新しく、最新情報への依存度が高い分野であることがうかがえる。 本書で特に強調されているのは、闇ウェブの最大の特徴である匿名性である。この匿名性は犯罪者にとって大きな利点である一方で、迫害を受ける政治活動家やジャーナリストにとっても重要な手段として利用されている点が示されている。ここから、闇ウェブに限らず、技術そのものは中立であり、利用する人間の目的によって善にも悪にもなり得るということが分かる。したがって、人類にとって重要なのは科学技術の発展だけでなく、それを適切に扱うための倫理観を育むことであると言えるのではないか。 また闇ウェブは犯罪に利用される側面だけでなく、言論の自由を支える役割も持っている。この点から、物事は一面的に捉えるのではなく、常に多面的に理解する姿勢が必要であると感じた。 本書は平易で読みやすく、闇ウェブやシルクロード事件に関心のある読者にとって入門書として適した一冊である。
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コモリーマン@Yoga好き❤️さんのコメント 2026/02/09
読む技法を読んで、 タイトルに惹かれて手に取ってみた。この本は、書き手の意図を正確に汲み取るための手段として、西洋で発展した聖書を読むために使われている7つの技法が、実例を交えて紹介されていた。また、読書の目的は、書かれている文章の意味を理解することだけではなく、作者の意図を理解することが重要であると紹介されていたが、これまで読書の目的を情報収集としていた私にとって新しい視点であった。このような考え方を義務教育の際に学んでおきたかった。本をただ情報収集のためのメディアツールとして扱うのではなく、作者の意図を理解して更なる深みを読み取り、より多くの見識を広げたい方にお勧めの1冊である。
コモリーマン@Yoga好き❤️さんのコメント 2025/10/29
先日観たドキュメンタリー映画で紹介されていたので興味が湧き読んでみた。内容は著者の弟が半田保険金殺害事件で殺害され、その後加害者との対話を通じて罪と罰とは何かを問うものであった。被害者である著者が最終的には加害者の死刑執行取り止めを請求するまでの流れは特に印象深かった。 また日本の法がいかに被害者に対して寄り添ってないのかという事を初めて知った。裁判でも被害者は検察からの依頼で証言台に立つ以外関わることを許されず、被害者の気持ちが置いてけぼりになるというのはこの本を読むまでわからなかった。 また世間は加害者だけではなく被害者およびその家族に対しても色眼鏡で見てきて、なおかつ、被害者をそれから守る人はいないというのも初めて知った。 死刑の目的は何か?また、被害者の権利について考えさられる本であった。
コモリーマン@Yoga好き❤️さんのコメント 2025/10/06
タイトルと内容の整合性がよくわからない。 あと、自分が嫌なことは相手にはしない、自分が好きなことは相手にやる、とあり、その下で仕事相手と遊びに行く理由としてるが、仕事相手がキャバクラが嫌いな場合の想定がないように思われる。
コモリーマン@Yoga好き❤️さんのコメント 2025/10/06
『明智光秀の生涯』を読んだ。 私は光秀に自身の現状を重ね、「明智光秀、牢人はなぜ謀反人となったか」で共感した点も多かったため、別の視点から光秀を知りたいと思い、この本を手に取った。 本書では、光秀が信長に対して感じていたプレッシャーが強調されていた。信長は超現実主義者で、人を単なる機能として評価するため、少しでもパフォーマンスが低いと容赦なく圧力をかける。その結果、光秀は精神的に追い詰められた。また、信長と光秀の間にはコミュニケーション不足があった。例えば甲州征伐の同行時に、信長は光秀が天下布武に必要な人材であるとの評価を明確に伝えず、光秀に監視役をつけなかったことや、本能寺における迂回行動の少なさなどから油断が生じた。こうした状況が重なり、信頼していた光秀から本能寺で討たれるという結果につながったというシナリオは非常に興味深い。
コモリーマン@Yoga好き❤️さんのコメント 2025/09/29
『若者はなぜ3年で辞めるのか』を久々に読み返した。20年前に読んだ作品だが、改めて読むと「日本のジョブローテーションはやっぱり変わってないな」と痛感する。確かに最近になってジョブ型雇用という制度がようやく出てきたものの、依然として多くの業種でジョブローテーション文化が根強く残り、結局は大きな変化は見られない。 また、本のタイトル通り「3年で辞める」という現象は今も続いている。厚労省の統計でも大卒の約3割が3年以内に離職している。ただし今では転職市場が整ったこともあり、むしろ「3年」が基準とは限らず、もっと早い段階で辞める若者も増えている。ある意味、状況は悪化していると言えるかもしれない。そう考えると、日本企業の人事部はやはり学習しないのか…と思わざるを得ない。
コモリーマン@Yoga好き❤️さんのコメント 2025/08/27
第4章の「大人になって人から期待されることが一番嫌いになった」というエピソードは、一般社会で人にばかり仕事を振られてキャパオーバーになり、嫌気がさす状況とよく似ていると感じた。 また、第5章の「それでも認められたい」というテーマでは、目的と目標は異なるという考え方や、やる気を引き出すために〈見通し → 目的 → 使命感〉というプロセスを踏む点が示されており、大いに共感できた
コモリーマン@Yoga好き❤️さんのコメント 2025/08/27
タイトルに惹かれて手に取った一冊。 本書では「面倒に感じること」を回避性パーソナリティ障害と位置づけ、作家の星新一やビアトリクス・ポターといった過去の人物の事例、さらに著者自身が関わった患者のケースを通して、その解決法をまとめている。 星新一のエピソードがやや長く感じられたものの、全体的にはわかりやすい内容だった。ただし提示される解決法は、「最初の一歩を踏み出すこと」「安心できる人間関係を確保すること」「完璧を求めすぎず適度に力を抜くこと」など、すでに他の書籍でも目にするような一般的な方法が多く、新鮮味に欠ける印象もあった。 とはいえ、事例を交えて整理されているため理解しやすく、改めて「回避傾向」と向き合うきっかけになる一冊だと感じた。
コモリーマン@Yoga好き❤️さんのコメント 2025/08/18
鎮痛薬やワクチンなど、昔からある医薬品を中心に、その起源や開発の裏話、そして薬と社会との関わりが描かれていた。個人的に印象的だったのはスタチンの章。著者自身に届いた保健組合からの手紙がきっかけで自ら論文を調べ、コレステロール低下と心疾患リスクの関係を検証しているくだりは非常に興味深いものであった。また同章で紹介されていたジェレミー・A・グリーンの著書(Prescribing by numbers)も気になる。現時点では日本語訳版は未刊だが、出版されたらぜひ読んでみたい。
コモリーマン@Yoga好き❤️さんのコメント 2025/08/18
光秀が謀反に至るまでの経緯が整理されており、また理解しやすい内容だった。また、その背景には現代の職場環境との共通点が見られる。特に以下の3点が顕著である。 1. 人材不足に伴う一人ひとりへの業務過多 2. 成果に対する過剰な質とスピードの要求 3. 一部人材の優遇に起因する立ち位置への不安・不信感 これらは現在の組織においても課題となり得る要素であり、光秀の事例は「過度な負担や不公平感が組織全体に及ぼす影響」を考えるうえで示唆的である。