コモリーマン@Yoga好き❤️さんの書評 2026/04/06
現代イラン神の国の変貌を読んで、 イスラエル、アメリカのイランへの攻撃に伴う国際情勢に興味を持ち、イランについて知りたいと思い、この本を手に取ってみた。 この本は1971年のイラン革命から2001年までのイランの政治、社会の変貌を組織(イスラーム神学校、教育)、人々(殉教者、亡命した人、若者、女性)の視点からまとめ上げた1冊である。またイラン革命から2001年までの政治社会の変貌を、イラン革命前後は第一章で、イラン革命後以降は第7章でわかりやすくまとめられていた。 最初にこの本で学んだ事は、イラン革命が発生した経緯である。革命前のイランは王政であったが、その際とられたイランを近代化するべく問われた。白色革命が大きな原因であったことである。宗教勢力にとっては自分たちの権益を脅かされる点、国民にとっては白色革命における政策を推し進めようとする国王の政治的介入に対する不満だ。興味深い点は前者に関しては既得権益の喪失と言うわかりやすい構図であるが、後者に関しては政策の中身よりも実際する際のプロセスに対してであることである。これは現在の自民党に対しての警鐘とも取れる教訓である。いくら国益の視点から有効な政策でも、衆議院での議席数を3分の2以上獲得している党の勢力だけに頼って強引に進めた場合、民意が離れるきっかけになるからである。なので他党とも対話を得た上で進めることが有効であると思われる。 またイラン革命後、イスラム法学者が国家を統治すべきと言う国家体制(ヴェラーヤテ・ファギーフ)がとられているが、法の支配、市民社会の確立、諸外国への対話重視などハータミ大統領による改革の推進も紹介されていた。最高指導者のもとで大統領が改革を進める姿は非常に立派である。国民の指示が圧倒的に高いこと、最高指導者が介入しすぎればイラン、革命の発端となった国王の二の舞となる可能性がある可能性もあることからある程度までは進む可能性が高いと思われる。 本書は、これまで読んできたイラン関連の本の中でイランの歴史、社会の解説を紹介した作品の中で1番わかりやすく完成度の高い作品であった。ただ出版されたのが2001年であるため、少々古い内容である。2001年以降のイランをまとめた作品もぜひ取り組んでいただきたいと思う。 2001年までのイラン(特にイラン革命の背景)に関して、興味のある人は、ぜひ一読いただきたい作品である。
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