コモリーマン@Yoga好き❤️さんの書評 2026/04/17
スマホ脳を読んで 著者であるアンデシュ・ハンセン氏の脳シリーズに興味を持ちこの本を手に取ってみた。 この本はスマートフォンが人類の脳へ与える影響をまとめた一冊である。アプローチとしては人類の性質からスマートフォンがつけ込んでいった過程及びその弊害を、脳科学的な視点及び臨床試験の結果からまとめ上げていく方法をとっている。 全体的な評価としては専門用語を素人に対してもわかりやすく噛み砕いて説明していた。しかし根拠の一つとしている臨床試験の紹介はかなり簡略化されており少し物足りなかった。リファレンス論文を紹介いただく形で提示されていればなお良かったと思う。 特に心に残ったのは、人間の脳は最新のテクノロジーに追いついていない、そのためテクノロジーが人間に順応するべきという主張だ。確かにデジタル技術が発展するのは素晴らしい。しかし人間が使いこなせなければ意味はない。むしろ本書で紹介されていた学習能力低下、記憶能力低下、睡眠障害など人類にマイナスを与えるリスクがあるなら尚更である。 ただ、現実においてテクノロジーを人間に順応させることは可能であろうか。本書ではテクノロジーは所詮道具であるため、使用する人間側がリスクを知りつつ気をつけて使用することが提唱されていた。 著者の意見には概ね賛成ではある。しかし人間自身が自制する心を強くする必要があるが具体的な方法は紹介されていなかった。この点についてももう少し踏み込んでほしかった。ちなみに私の見解は、一つの答えとして法が挙げられる。スマホ使用時間を強制的に定めて、それを過ぎると自動的に電源が切れる仕組みを全スマホに組み込むという法を定めるというものだ。著者のアプローチとして人類の生物学的進化が挙げられていたが、人間が他の動物と異なる点の一つとして法治という社会秩序が挙げられる。それを使って生物学的に抑えられない衝動をカバーするというものである。ただこの方法も、当然法律を破るために電源の切れない違法なスマホが開発されたり、使用制限があることによる生活利便性の弊害も巻き起こされる恐れがある。 最後になるが、この本はスマホ依存症を治したい人だけではなく、テクノロジーと人類との関係を見つめ直したい人に対しておすすめの作品である。
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