さんの書評2026/04/09

四巻

釈放された移民について土鬼(ドルク)の僧の下の方が、権威として機能する。重要なものとお子さんを持つお姉さんを見た彼はこっちで彼女の持つナニを買ひ、子どもの保証を何とかし、こっちの長老へ、一族のために残酷なことをいっておく。うあー。で彼は皇弟様へも諫言するが。 クシャナ殿下の過去が出る。絵本『もののけ姫』によれば、作者は「選民の言ひ訳としての崩壊家庭」といふネタをやらうとして没にし続けてるさうであるが、これが本作では姫姐様でなくてクシャナ殿下にみられる。 既に出た殿下と父君の関係、の次に本巻ではヴ王の息子で殿下の兄その三がいかなる人か、彼らによってクシャナ殿下の直接の肉親である母上が大変なことになって引き籠ってをる旨、が、いい感じででる。ネガティヴなものとしてのネポティズムの中の地獄が凄まじい。 ナウシカさんと土鬼(ドルク)の僧との念話のシーン、「本心」を付き合はせてるんだらうなあと。敵国の一族の子供を助けたが物の提供に差別心がある場合があって、私はアレではやってないとヒロインがいふ。で僧侶が、敵国の、さらに「悪者」らしい人によって、教団では明確に否定される「アレ」が世迷ひ言とかではなく実在するもので、更にそろそろ起きるとか聴く。うああ。アレってやっぱ白土三平『忍者武芸帳』のジバシリの影響なんだらうなあとか。 蟲の皆さんの謎の生態とか、変形菌さんの動きが凄い。 蟲や菌類、変形菌の育種をやる科學者がお国の保証で以て暴走し、生物兵器が、なんか無差別使用といふおぞましい形で出るといふの、技術のイノベーションへの拒否感は、作者の他諸作品他によく出るが、「敵の街を焼きにいく」戦略兵器としての一面があるんだよなあとか思った。

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