さんの書評2026/04/24

ストレスの9割は脳の錯覚を読んで

ストレスの9割は脳の錯覚を読んで ネットで紹介されていた書籍でタイトルから興味が湧きこの本を手に取ってみた。 この本はストレス軽減の方法において心がけることを、脳の錯覚の結果発生する不適応思考を減らす点に焦点を置きまとめた作品である。 前半は脳の錯覚及びそこから引き起こされる不安や偏った考え方の思考グセが、後半は脳の錯覚から自身を解放する方法をヒントという提案形式で紹介されていた。 前半は統計データなどを用いて思い込みに対する反証をする形式で説明されていたためわかりやすく、後半のヒントに関しては明日から実践しやすいものが紹介されていた。いくつか試してみたいと思う。 しかし全般的な議論の中に時間という因子が欠けていた。著者は脳の思考パターンにおいてシステム1、2(前者は速断型の直感的思考、後者は遅い論理型の思考)の合計2パターンがあるとし、その中でシステム2を推していた。しかし一般的に思考する時間は有限であるためシステム2では時間切れとなる恐れがある。また著者はやってみなければわからないというアジャイル的な方法を推していた。しかしシステム2を多用した場合、時間をかけすぎると試行回数が減る。その結果システム1よりも試行錯誤の回数が少なくなってしまうため、最終的なパフォーマンスにおいてシステム2が劣る可能性もある。以上より時間という有限なリソースも踏まえた上で考察されていれば、さらに完成度は高かったと思われる。 本書はストレスを脳の錯覚という切り口で紹介しており、ストレス軽減のための思考法について多様な方法が提示されている。ストレス及びその軽減方法を多角的に知りたい人にとって参考となる一冊である。

この書評がいいと思ったら、押そう! » いいね!

共有する: